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無痛分娩について

2024.10.01

無痛分娩とは

無痛分娩は、麻酔を使用して分娩時の痛みを和らげる出産方法です。「和痛分娩」とも呼ばれることもあります。完全に痛みがなくなるわけではありませんが、痛みを大幅に軽減し、お産をより穏やかに迎えることができます。

無痛分娩の方法

無痛分娩にはいくつかの方法があります。以下にその詳細を説明します。

硬膜外麻酔

概要: 硬膜外麻酔は、背骨の近くにある「硬膜外腔」という場所に細い管(カテーテル)を挿入し、そこから麻酔薬を注入する方法です。これにより、お腹から下の痛みが和らぎますが、意識ははっきりしており、陣痛の感覚もある程度感じることができます。

特徴: 分娩の痛みを効果的に軽減し、麻酔薬の量や濃度を調整することで個々の妊婦さんに応じた痛みのコントロールが可能です。

脊髄くも膜下麻酔

概要: 脊髄くも膜下麻酔は、硬膜外腔よりもさらに奥にある脊髄くも膜下腔に麻酔薬を注入する方法です。こちらは効果が迅速に現れるため、分娩が進行中の場合に用いられることがあります。

特徴: 効果が早く現れ、痛みを即座に軽減できますが、持続時間は短いため、必要に応じて追加の麻酔が必要になることがあります。

硬膜外麻酔と脊髄くも膜下麻酔の併用(CSE: Combined Spinal-Epidural)

概要: この方法は、脊髄くも膜下麻酔と硬膜外麻酔を組み合わせることで、迅速かつ持続的な痛みの緩和を提供します。初めに脊髄くも膜下麻酔で即効性を確保し、その後に硬膜外麻酔で長時間の鎮痛効果を維持します。

特徴: 両方の麻酔方法の利点を活かし、迅速な痛みの緩和と持続的な鎮痛が可能です。

当院の無痛分娩の特徴

麻酔科医が管理: 麻酔科医が分娩の開始から終了まで麻酔管理を行います。

計画無痛分娩と自然陣痛からの無痛分娩: 事前に日程を決めて行う計画無痛分娩と、自然な陣痛が始まってから麻酔を行う方法があります。

当院では原則、予定での麻酔管理を行っております。夜間対応に関してご相談いただければ幸いです

無痛分娩のメリット

痛みの軽減: お産の痛みが大幅に軽減されます。通常の痛みの2~3割程度まで抑えられます。

お産がスムーズに進行: 痛みが軽減されることで、リラックスしてお産に臨むことができ、お産がスムーズに進むことがあります。

産後の回復が早い: 痛みや疲労が少ないため、産後の回復が早くなることがあります.

帝王切開への対応が容易: 無痛分娩中に帝王切開が必要になった場合、同じカテーテルを使って麻酔を追加できるため、スムーズに切り替えが可能です。

無痛分娩のデメリットとリスク

無痛分娩は一般的に安全な手法とされていますが、いくつかのリスクや副作用があります。以下に無痛分娩の安全性とリスクについての詳細を示します

安全性

・適切な管理下で行われれば、母親および赤ちゃんへの重大な影響は非常に稀で無痛分娩による母親の死亡率は約10万人に1人、交通事故による死亡率よりも低いとされています。

一般的な副作用:

・足の感覚が鈍くなる、痛くなる(頻度:100%)

・排尿困難(頻度:100%)

・皮膚のかゆみ(頻度:30%)

・軽さの低血圧(頻度:50%)

・38℃以上の発熱(頻度:10%)

まれに起こる合併症:

・硬膜穿刺後頭痛(頻度:約1%)

・局所麻酔薬中毒(頻度:数百人~1000人に1人)

・高位脊髄くも膜下麻酔・全脊髄くも膜下麻酔(頻度:数百例に1例)

・硬膜外血腫や膿瘍形成(頻度:数万人に1人)

赤ちゃんへの影響:

・無痛分娩開始直後に一過性の心拍数減少が起こることがある(頻度:10%) ・赤ちゃんに麻酔薬の影響が出ることはほとんどありません

無痛分娩の安全管理

当院では、無痛分娩を安全に行うために以下の管理を徹底しています。

麻酔科医による管理: 麻酔科医が麻酔を行い、分娩中も定期的に診察します。

安全対策の徹底

・硬膜外麻酔用カテーテル挿入後に局所麻酔薬のテスト注入を行い、副反応の確認

・低濃度の局所麻酔薬の使用

・麻酔薬の少量ずつの分割投与

・母児の継続的なモニタリング

緊急時の対応: 医師、助産師、看護師が連携して緊急時にも迅速に対応できる体制を整えています。

無痛分娩の費用 リンク

無痛分娩の申し込みと流れ

無痛分娩を希望される方は、妊娠35週までにスタッフにご相談ください。

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